スーファミのエリア88のゲーム音楽は、ジャズのような自由な音を散りばめたサウンド。

『エリア88』という作品をご存知だろうか。
新谷 かおるさん原作の人気漫画。

この作品の漫画も読んだこともなければ、アニメも観たこともない。
なのにどうして知っているのかと言うと、それはもちろん、

スーパーファミコンのゲーム『エリア88』しかない。

↑わざわざ親戚の弟に写真を撮ってもらった。懐かしい。

↑年代を感じるボロボロさ。

当時弟（親戚だが兄弟みたいな間柄のため）がソフトを持っていて、結構難しいと聞いていて、それをレンタルしたところで知ったゲーム。

弟も同じく漫画もアニメも知らないのに、ゲームソフトを持っていたのは、たぶんジャケ買いみたいなもので親に買ってもらったんだと思う。

このゲームをプレイして、すぐにのめり込んだ。

あの没頭させる説得力は、完成度の高いゲームだと思わざるおえない。

いちいちUIとか音とかエフェクトとかの出来がよすぎるんよカプコンは。

そしてなんといってもゲームの難易度。

初めてプレイすると難しいんだけど、グラディウスのようなシューティングゲームと違って、一撃でやられることがない体力ゲージ制なので、どんなに下手でもすぐに終わることがない。

それでもゲーム後半の難易度の高さは尋常ではないけど･･･

もともとアーケードゲームで稼働していたものが、スーパーファミコンの移植ではキャラによって能力の個体差をつけて、さらに機体を購入できるようにし、ステージも選択できることで、ゲームとしての面白味がかなり上がった出来になった。

しかもスーファミのクオリティを最大限発揮したオープニングシーンや、

アーケードと遜色ないグラフィックで、スーファミ前半期の名作中の名作。

その上で欠かすことができなき音楽もクオリティが上がっていて、個人的にアーケードよりスーファミの方が好み。

その作曲をしたのが、松前真奈美さん。

『ロックマン』で有名な松前さん。

当時『ロックマン2』も作曲していたという認識もあってか、「おっくせんまん」で有名なDr.ワイリーのステージも作曲していると思っていたが、俺の勘違いだった。

「おっくせんまん」の作曲者は立石孝さん。

松前さんは、『ファイナルファイト』や『天地を喰らう』などのアーケードゲームを数多く手掛けている。

ちなみに立石孝さんは、このエリア88で1曲だけ作曲している。

「 森林要塞」だ。

これにはわけがあって、以下からの抜粋を記載しておく。

立石氏は当時『ロックマン2』の曲を製作していたが、煮詰まっていてなかなか仕事がはかどらなかった。
一方の松前氏も、基板でのFM音色制作とデスクでの作曲作業を行ったり来たりで、電話対応をまともにできないほどに「へろへろ」になっていたという。
そんな姿を見かねたのか、ちょうど隣の席で『ロックマン2』の曲を制作していた立石氏から1曲作らせてくれと提案があった。
相談の結果、立石氏が『エリア88』の曲を1曲、松前氏が『ロックマン2』の1曲を部分的に手伝い、それを交換することとなったという。
そうして出来上がったのが、立石氏による『エリア88』の「森林要塞」と、松前氏が手伝った本作の「AIRMAN STAGE」(ただし手伝った部分は後半数小節分)である。
なおこれはこっそりやったことらしく、作ってもらった曲は自分の曲として提出していたという。

どこで公開した情報かわからないけど、こういう裏話はなんか得した気分になる。

それではこの『エリア88』の曲をざっくりと紹介していきたい。

基本的にはスーファミ中心ではあるが、アーケードのみの曲もあるので、そちらも紹介したい。

最初は『オープニング』

ゲームのオープニングを飾るには相応しいサウンド。

実はこの曲は松前さんが作曲されていたかは不明。

ほかにも松前さん以外の方が作曲されている曲がある。

次に『プレイヤー選択・作戦』の曲。

これは松前さん作曲。映像が頭によぎるぐらい聴いている。

『ショップ』は、アイテムや機体を購入するのか選ぶ曲。

これはアーケード版の方が、音が好きだったりする。

『前線基地』

ステージ１の曲。基本的にアーケードはドラムや音色など全体的なバランスが悪く聞こえがちで、スーファミの方が音の伸びや、音色に統一感があって、即答でスーファミ版を勧める。
アーケードのタイトルは『油田基地』

『BOSS』

そのままの意味のボス戦。これもアーケードよりスーファミ版が断然イイ。
ベース音がスーファミの方が優れていて、アーケードは音同士がいがみ合っているかのようだ。

『ミッションクリア』

これはアーケードの方が、後半のシンセサイザーの音がクリアで爽快。
スーファミはギター音を思わせる硬派な感じで、どちらも好き。

『森林要塞』

これが立石さんによる作曲。松前さんと遜色なくプロの御業としかいいようがない。
これもスーファミ版に軍配があがる。アーケード版は音色が残念でしかない。

『森林要塞BOSS』

これはスーファミだけのサウンド。アーケードでは『要塞』というサウンドで、これはこれで悪くない。

『地上空母・洞窟』

この曲めっちゃ好き。メロディラインがジャズのような自由さと、隙のない音の展開が痺れる。
スーファミの音色に慣れ親しんでいるが、アーケードで初耳だったらこれがいいと思うかもしれない。

『戦艦ミンスク』

Aメロからガラッと期待値をあげるサビの展開は燃える。
アーケードでのタイトルは『渓谷』。相変わらずの音色のボリュームバランスが悪いがメロディは最高すぎる。

『航空師団』

ここに来てワクワク感をあげてくる緊張感のあるサウンド。さらに音色を変えての落ち着いたサビにもやられる。この曲はスーファミのみ。

『航空師団BOSS・プロジェクト４要塞BOSS』

短いフレーズだが、気持ちを流行らすいいサウンド。

『補給部隊』

前曲からさらにリズミカルで焦らすような、ゲーム展開を盛り上げる１曲。

『原潜シーペット』

打って変わってのベースがうねる、緊張感のあるサウンド。

『渓谷』

アーケードにすでにあるタイトルとは違うサウンドで、軽快な音運びで、ゲームの中でも忙しい１曲。

『プロジェクト４要塞』

めっちゃカッコいい１曲。エリア88の代表曲と言っても過言ではない。メロディ展開といいアレンジの音の配置といい、言う事無し。

アーケードでは『洞窟』。曲のカッコよさは変わらないが、アレンジの音が少なく、スーファミで完全版になったように思える。

『最終BOSS』

画面４つ分あるラスボスのサウンド。手に汗にぎる緊張感に追い打ちをかける１曲。

『エンディング・スタッフロール』

エンディングだから静かに終わると思いきや、ノリのいいドラムからギターサウンドでスタッフロールが流れる。しかもギターのソロがかっこよすぎる。

全く大人しく終わる気がないようで、最後まで全力のサウンド。

アーケードでもこのノリは変わらず、実際のライブで聞きたいサウンドでもある。

『THANK YOU FOR YOUR PLAYING!!』

オシャレ。アーケードだと波の音が聞こえてきそうな１曲。アーケードタイトルは『LAST RANKING』

ここからはアーケードのみのサウンドを一部紹介。

『上昇』

階段のようにどんどんと駆け上がる音の展開はボルテージがあがる。

『海上』

ベースから始まるこのオシャレなサウンドは、あとの展開もジャズのように自由。こんなサウンドをバックで流されては、まともにゲームに集中できない。

『兵器工場』

落ち着いた低音のメロディから前線基地を思い起こす音の展開で、タイトルとは裏腹なサウンド。

YouTubeでギターで実際に演奏している人を見つけたの貼り付けておく。

www.youtube.com

エリア８８／ゲーム・ミュージック

エリア88